2005秋-コトの始まり

何ゆえヨセミテなのか? 何ゆえザイオン・グランドキャニオンなのか?
世の中見渡してみても、八日間のアメリカの旅で、ヨセミテーラスベガスーザイオンーグランドキャニオン-ラスベガ
ス、なんて旅程のツアーはまず見当たらないと思う。そもそもこんなスケジュールの旅を思いついたのはなぜなんだ
ろ?
 
この年の夏休みを9月の祝日が重なったこの時期にとって、ヨセミテに行こう!と思いついたのは、丁度アメリカ出張
が一段落した5月の末のことである。来月にはもう夏休みの取得希望の申請が始まるのだが、さて今年はどうする
か、と思案に暮れた。以前ならばお盆のあたりに九日間連続DZ滞在!なんてことをやっていたものだが、仕事のス
ケジュール的にも無理があるし、第一もう体がいうこと聞かない。炎天下の夏のDZに九日間連続で、なんて技は有り
余る体力があってのことだ。特にここ半年ほどは激務の連続で体がなまっているし、イントラ稼業復活のためのリハ
ビリもそれまでには出来そうにないのだった。

 そんな時に思い出したのが、去年ヨメさんがふといったセリフ。出張でCAに滞在していた時に、祝日を利用して遊び
に来ていた嫁さんをヨセミテに連れて行ったのだが、グレーシャーポイントからハーフドームを眺めているときに何気な
く口にした「今度登ろう」というのがよみがえってきた。「こりゃ、いい案かもしれん!」(今度登ろう、のセリフは、ヨメが
つぶやいたものです、アシカラズ)。そんなわけで、旅のハイライトとしてハーフドーム登頂を添えることが決定したの
だ。休暇の時期も去年よめさんが休みを取った9月の祝日集中週間であっさり決定。とまぁ、こんな具合だったのだ。

が、一週間ずっとヨセミテにいるのも芸がない。もちろんハイカントリーも含めて、まだまだいってみたいところは公園
内にたくさんあるし、候補地を挙げていったら、一週間なんて日数ではとても足りない。いっそのこと、ヨセミテはハー
フドーム一本に絞って、残りは次回以降のお楽しみにとっておいて、どこか別のところへ足を伸ばすか・・・こう考えた
瞬間に浮かんできたのがラスベガスであった。勘違いしないでもらいたいのだが、決してギャンブルがやりたいわけ
ではない。パチンコだって、大学時代に誘われていったけど、そこで原チャリのキーを落として以来、もう15年以上足
を踏み入れたことがないのだ。僕にとってのラスベガスというのは、そう、グランドサークル巡りのゲートとして、なの
である。ところが、この案を思いついたことが、苦渋の日々を送るきっかけになってしまったとは・・・・。

それにしても、行きたい所、いっぱいありすぎ・・・ラスベガス拠点に、なんて考えつかなけりゃよかった、と思うことも
あったくらい。ザイオンだってブライスキャニオンだってもう一度いってみたいし、モニュメントバレーも捨てがたい・・・そ
んなこんなで迷うこと一ヶ月あまり、最終的に決定したのが、ザイオンーレイクパウエル寄り道−グランドキャニオンサ
ウスリム、というものだった。ザイオンかブライスキャニオンかで迷ったのだが、昨年ザイオンを訪れたときの、ガイドブ
ックでは味わえることのなかった壮大な岩峰群の圧倒的な存在感をもう一度味わってみたかったこと、そしてグランド
キャニオンは11年振り、というのが決め手になった。実は94年にEloyにジャンプで行った際に二泊三日で訪れてい
るのだが、この時はよめさんが杖ついてピンクのギプスをしていた状態だったので、ただ展望ポイントから眺めるだけ
の旅立ったのだ。いわば、今回はそのリベンジみたいなもの。そんな経緯もあって、一気に盛り上がっていったので
ある。

それにしても、欲張りだなぁ、と自分でも感心するくらいの旅程だ・・・しかも、一応はレイクパウエル、という初の土地
も用意してある。ヨセミテ行きは仕方ないが、後半は、ラスベガスからUS15を北上してザイオンーレイクパウエルーGC
サウスリム−US40-フーバーダムーVegasという完璧な「回廊コース」、同じ道は通らない、という旅の信念(ってオオ
ゲサなものではないけれど)を見事貫き通すプラン。我ながら「完璧だな」と自画自賛してみたりしたものだった(笑)。



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